是正勧告を受けたら何をする?初動から期限対応・再発防止までの実務整理
〜突然の是正勧告に戸惑ったとき、順番を整理して落ち着いて対応するために〜
労働基準監督署から是正勧告を受けると、 「まず何をすればいいのか」「どこまで対応が必要なのか」 分からず、社内が混乱することも少なくありません。
是正勧告への対応は、 早さだけを優先するものではなく、 指摘内容を正しく整理し、順番に対応を進めることが重要になります。
本記事では、労基署対応・調査実務の中でも 「是正勧告を受けた後に何をするのか」について、 初動から期限内対応、再発防止までの流れを実務目線で整理します。
※個別の事情によって対応は異なるため、 「全体像を理解するための整理情報」としてご覧ください。
是正勧告を受けたら最初にやること
是正勧告を受けた直後は、 「早く直さなければならない」という気持ちが先行しがちですが、 実務上は、最初に状況を整理することが重要になります。
● 内容の読み込み
まず行うのは、是正勧告書に記載されている内容を丁寧に読み込むことです。
どの事項について、どの期間を対象に、 どのような点の整理が求められているのかを、 項目ごとに分解して確認します。
一文ずつ確認し、「何を直すのか」「何を説明するのか」を 切り分けて整理すると、その後の対応が進めやすくなります。
● 必要資料の整理
次に、指摘事項に関連する資料を洗い出します。
勤怠記録、賃金台帳、就業規則、雇用契約書など、 どの書類が関係しているのかを一覧にすると、 確認漏れを防ぎやすくなります。
この段階では、修正を急ぐのではなく、 まず「現状がどうなっているか」を把握することが目的になります。
● 事実確認
書類だけで判断せず、 管理者や現場担当者への聞き取りを行い、 実際の運用がどうなっているかを確認します。
記録と実態に差がある場合は、 どの工程でズレが生じているのかを整理しておくと、 後の改善策につなげやすくなります。
期限内に行うべき対応
是正勧告には、対応期限が示されていることが多く、 期限内にどこまで進めるかを整理することが重要になります。
● 改善策のまとめ
指摘事項ごとに、 どのような改善を行うのかを整理します。
このとき、 制度だけを直すのか、運用も含めて見直すのかを分けて考えると、 対応内容が明確になります。
改善策は、実際に運用できる内容かどうかを意識し、 現場での流れまで含めて整理することがポイントです。
● 改善の証拠作成
改善を行った内容については、 記録として残る形にしておくことが重要になります。
規程の改訂履歴、勤怠設定の変更内容、 周知資料や説明記録など、 後から確認できる形で整理しておくと、 報告時の説明がスムーズになります。
● 報告書提出
整理した内容をもとに、 報告書としてまとめ、提出します。
事実経過、原因の整理、今後の対応方針を分けて記載すると、 内容が伝わりやすくなります。
人事×社労士の視点では、 制度と実務の両面がつながる説明になっているかを意識すると、 報告書全体の整合性が取りやすくなります。
再発防止のヒント
是正勧告への対応は、 指摘事項を直すだけで終わらせず、 同じ課題が繰り返されないように整理することが重要になります。
● 勤怠運用の見直し
打刻、申請、承認、集計といった流れが 実態に合っているかを確認します。
特に、例外対応が多い業態では、 例外をどう扱うのかをルールとして整理しておくと、 運用が安定しやすくなります。
● 管理者教育
ルールがあっても、 管理者が内容を十分に理解していないと、 現場での判断にばらつきが出やすくなります。
判断が必要なポイントを共有し、 迷ったときの相談先を明確にすることで、 再発の防止につながりやすくなります。
● フロー整備
勤怠修正や残業申請などの業務が 特定の人に依存している場合は、 手順として整理しておくことが有効です。
作業の流れを可視化することで、 担当者が変わっても同じ対応ができる状態を目指します。
労基署対応は、 書類の内容やこれまでの運用状況によって確認点が変わるため、 早い段階で全体を整理しておくことが、その後の対応をスムーズにします。
まとめ
是正勧告を受けたときは、 慌てて対応するのではなく、 順番を整理して進めることが重要になります。
- 最初は、内容の読み込み・資料整理・事実確認で現状を把握する
- 期限内には、改善策の整理、証拠の作成、報告書提出を行う
- 再発防止として、勤怠運用・管理者教育・業務フローの整理を進める
労基署からの連絡に、不安を感じている方へ
突然の連絡があると、「何が問題なのか」「どう受け止めればいいのか」 分からなくなることも少なくありません。
労基署対応は、すぐに判断や対応を迫られるものばかりではなく、 まず事実関係や現在の運用を整理することで、 落ち着いて考えられるケースも多くあります。
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