法定休日の「事前特定」を運用するための実務チェックリスト|シフト管理者向け整理版

〜「休日は決めてあるつもり」を防ぐ。現場で混乱しやすいポイントの整理〜


法定休日の「事前特定」は、2026年を見据えた労務管理の検討項目の中でも、飲食・小売・サービス業の現場に影響が出やすいテーマの一つです。
シフトを作成していれば休日も自動的に決まっている、という感覚で運用していると、月末またぎや管理職対応の場面で整理がつかなくなるケースが多く見られます。

厚生労働省の資料や通達では、労基法35条の考え方として、週1回または4週4日の休日を確保する枠組みが示されています。
あわせて、その休日が「どこに位置づけられているのか」を説明できる状態にしておくことが重要である、という方向性も整理されています。

重要なのは、制度論として理解することよりも、シフト管理の実務で休日をどう扱っているかを見直すことです。
とくに、月末またぎ・副業者・管理職の休日は、現場判断に任されがちなため、運用整理の優先度が高くなります。

この記事では、法定休日の事前特定を検討・運用していくうえで、シフト管理者が確認しておきたいポイントをチェックリスト形式で整理します。
制度の結論を断定するものではなく、「現場で何を確認しておくと混乱を減らせるか」に焦点を当てています。


チェック1:月末またぎの休日設定

法定休日の整理で最初につまずきやすいのが、月末と月初をまたぐ期間の扱いです。
カレンダー上の「月」ではなく、「週の区切り」で考えられているかがポイントになります。


● 週の起算日

まず整理したいのが、週の起算日です。
月曜始まりなのか、日曜始まりなのかが曖昧なままだと、休日の位置づけが人によって変わってしまいます。

週の起算日を社内で統一しておくことで、誰の休日がどの週に属しているのかを説明しやすくなります。


● 月22日〜翌月4日の注意点

月末の最終週から翌月初週にかけては、休日が「どこに入っているのか分かりにくい」状態が起きやすくなります。
棚卸しやセール、繁忙対応が重なる業種ほど、休日が後ろにずれやすい傾向があります。

月またぎの期間については、あらかじめ休日の位置を固定して考えることで、連続勤務や休日不足のリスクを整理しやすくなります。


チェック2:前月確定の期限

休日を事前に特定するためには、シフトの確定タイミングが重要になります。
直前までシフトが流動的な場合、休日の説明が後追いになりやすくなります。


● 飲食・小売は「10日前前後」を目安にする考え方

現場運用を踏まえると、翌月シフトは前月20日前後までに確定させる、という目安が参考になります。
余裕を持った確定により、休日の配置や調整を落ち着いて行いやすくなります。


● 人員不足を想定した設計

誰かが欠けると休日を動かさざるを得ない運用は、事前特定の整理と相性が良くありません。
補欠要員や応援体制を想定しておくことで、休日を動かさずに対応できる余地が生まれます。


チェック3:副業者の休日調整

副業・兼業が増える中で、休日が事業所ごとに分散してしまうケースが見られます。
形式上は週1日の休日があっても、本人にとっては休めていない状態になることがあります。


● 休日が両社で重なっているか

副業者については、自社で設定している休日が、他社の勤務とどのように関係しているかを確認しておくことが重要です。
休日が全く重ならない場合、休息確保の観点から整理が必要になることがあります。


● 交互に休日がなくなるケース

週ごとに休日がずれてしまい、結果として連続勤務のような状態になるケースも見られます。
本人申告を踏まえながら、無理のない配置になっているかを確認しておくことが望ましいとされています。


チェック4:管理職の休日の明確化

店長や管理職の休日が曖昧なまま運用されている場合、整理が難しくなりやすい傾向があります。
役割が大きい分、休日中の対応が発生しやすいためです。


● 「実質的な稼働」は休日として扱いにくい

休日中に連絡対応や事務作業を行っている場合、その日は休めていないと評価される可能性があります。
業務対応が発生しない日を休日として明確に区別しておくことが重要です。


● 不在時の代理体制

管理職が休む際の代理体制を決めておかないと、結局対応せざるを得ない状況が生まれます。
「誰が判断するのか」を事前に決めておくことで、休日を機能させやすくなります。


運用書式まとめ

休日の事前特定を現場で回すためには、口頭説明だけでなく、書式による整理が有効です。


● 休日カレンダー

月ごとの休日配置を一覧で確認できるカレンダーは、月末またぎの確認に役立ちます。
管理職や責任者の休日も可視化しておくと、運用が安定しやすくなります。


● シフト確定通知文

シフト確定日や法定休日の考え方を毎月共有することで、認識のズレを防ぎやすくなります。


● 変更時の同意書

やむを得ず休日を変更する場合は、理由と本人の確認を残しておくことで、後日の説明がしやすくなります。


まとめ

法定休日の事前特定は、シフト作成の考え方そのものを見直すきっかけになります。
月末またぎ、シフト確定のタイミング、副業者対応、管理職の休日といった点を整理することで、現場の混乱を抑えやすくなります。

制度を断定的に捉えるのではなく、「自社の運用を説明できるか」という視点で見直すことが、2026年に向けた現実的な対応につながります。
まずは、休日がどこに置かれているのかを見える形にするところから始めていきましょう。


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※本記事は公開時点の情報にもとづいて作成しています。今後の制度変更や運用の見直しにより、内容が変わる可能性があります。

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