2026年対応|14連勤禁止ルールとシフト制運用で見直すべきポイント

〜深夜またぎ・休日ズレ・仮シフト…“気づかない連勤”が最も多いシフト制を2026年までにどう整えるか〜


2026年に向けて、「連続勤務の上限」を設ける方向性が示されており、その中で代表的な目安として「14日連続勤務をさせない」という考え方が議論されています。
狙いはもちろん、過重労働や健康障害のリスクを抑えるための仕組みづくりです。

この連続勤務ルールの影響をとくに受けやすいのが、シフト制で運用している企業です。
なぜなら、シフト制では次のような「気づきにくい連勤」が起こりやすいからです。

  • 深夜帯をまたぐ勤務で、翌日の休日が実質的に消えている
  • 仮シフトからの直前変更で、休日位置が後ろにずれてしまう
  • 店舗間ヘルプで、本来の休日がなくなっている
  • 本来は休日扱いにすべき日が「非勤務日」として処理されている
  • 店長判断だけで休日が移動している
  • 法定休日の位置がそもそも明確にされていない

こうした運用が続くと、「気づかないうちに長期間の連続勤務が発生していた」という状態になりかねません。
2026年以降は、連続勤務の上限や勤務間インターバルの考え方がより重視されるため、シフト制企業にとっては大きな見直しテーマとなります。

この記事では、

  • 14日連続勤務禁止ルールの背景
  • シフト制で連勤が生まれやすい構造
  • 14日連続勤務を避けるためのシフト構成術
  • 勤怠システムでの実務設定ポイント
  • 対応しない場合に起こり得るリスク

について、現時点の情報をもとに整理します。


14日連続勤務禁止とは?


● 働き過ぎ防止の背景

連続勤務の上限ルールは、過重労働や健康障害を防ぐための安全装置という位置づけです。
とくに、次のような点が課題として指摘されています。

  • 連勤が続くと勤務間インターバルが不足しやすい
  • 睡眠時間が安定せず、慢性的な疲労が蓄積する
  • 深夜勤務が続くと心身への負荷が大きくなる
  • 名ばかりの「休日」が実質的に休息として機能していない

過去の事案でも、「形式上は休日があるものの、実際には十分な休息が取れていなかった」ケースが多く報告されており、こうした背景から一定日数を超える連続勤務を制限する方向性が示されています。

● 例外規定の考え方

実務上は、災害対応や突発的な事情など、やむを得ないケースも想定されています。
そのため、例外的な扱いが全く認められないわけではなく、次のような場面が議論の対象となります。

  • 業務の性質上、どうしても連続勤務が避けられない場合
  • 天災等の臨時の事由が発生した場合
  • 代替要員の確保が著しく困難な場合

もっとも、こうしたケースでも、労働者代表との協議や健康確保措置の実施、必要に応じた行政への手続きなどが求められる方向で検討されており、日常的な運用に使うことは想定されていません。

● 休日と非勤務日の違い

連続勤務を正しくカウントするためには、「休日」と「非勤務日」の違いを整理しておくことが欠かせません。

  • 休日:労働義務のない日(法定休日・所定休日など)
  • 非勤務日:たまたまシフトが入っていない日(休日とは限らない)

シフト制企業では、「非勤務日=休日」と扱ってしまうことが連勤カウントの誤りを生む最大要因となります。


シフト制で多発する“連続勤務の落とし穴”


● シフト作成者の属人化

シフト制の現場では、店長やリーダーが「経験と勘」でシフトを組んでいるケースも少なくありません。
その結果、次のような状況が生じやすくなります。

  • 法定休日の基準が共有されていない
  • 非勤務日の扱いが人によって異なる
  • 深夜またぎやインターバルのルールを知らないまま運用している
  • 変形労働時間制の休日位置が曖昧なままになっている

このように、「誰がシフトを作るか」でルールの解釈が変わる状態は、連続勤務管理のうえで大きなリスクになります。

● 休日位置の不明確さ

シフト制では、もともと休日が変動しやすい構造があります。
そのため、本来は次のような「会社としての休日基準」が必要です。

  • 週の基準日と法定休日の考え方
  • 所定休日をどのように配置するか
  • シフトで休日を動かす場合のルール

しかし現実には、

  • 店舗ごとに休日の考え方が異なる
  • 従業員ごとに毎週バラバラの休日になっている
  • 非勤務日を休日として扱っている
  • 法定休日の位置が定義されていない

といった状態も多く、連続勤務日数の把握を難しくしています。

● 深夜勤務の連続扱い

シフト制で最も見落とされやすいのが、深夜またぎが連勤の一因になっているケースです。

たとえば、次のような勤務です。

  • 日曜22時〜月曜7時勤務(法定休日:日曜)

この場合、日曜日に労働が発生するため、本来は法定休日労働として扱う必要があります。
さらに、翌日の休みをどう評価するかによっては、「実質的に連続勤務が続いている」状態になることもあります。


14日連続勤務を避けるためのシフト構成術


● 週単位の休日固定

最も分かりやすい対策は、1週間の中で休日位置の基準を固定しておくことです。

  • 日曜日を法定休日とする
  • もう1日を所定休日として決める
  • 原則パターンから外れる場合は、事前に振替ルールを適用する

休日位置をある程度固定しておくと、深夜またぎやシフト変更時の影響を把握しやすくなるメリットがあります。

● 2週間単位でのチェック

14日連続勤務を避けるには、「2週間ブロック」でのチェックが有効です。

  • 1週目と2週目をセットで見て、必ず1日以上の休日を配置する
  • 2週間で「最低何日休みを入れるか」を決めておく
  • シフト確定前に、2週間単位での連続勤務シミュレーションを行う

週単位だけでなく、14日=2週間という単位で見るクセをつけることが、見落とし防止に役立ちます。

● 繁忙期の例外設定

繁忙期には、どうしてもシフトが詰まりやすくなります。
そのため、あらかじめ次のような「繁忙期用ルール」を決めておくと運用が安定します。

  • 繁忙期に連続勤務が増えやすいポジションの洗い出し
  • 応援要員・代替要員の事前確保
  • 繁忙期前から休日確保の指示を出す
  • 繁忙期後に代休をまとめて取るための仕組みづくり

「忙しいから仕方ない」で連勤が常態化している場合は、2026年までに運用を見直しておく必要があります。


勤怠システムでの設定(実務)


● 連続勤務アラート

連続勤務をシステム側でチェックするためには、アラートの閾値設定が重要です。

  • 12日連続勤務の時点で自動アラート
  • 13日連続勤務で管理部門に通知
  • 14日目以降は原則勤務を入れない運用にする

現場では、連勤日数のカウントが追いつかないことが多いため、システムで早めに警告を出す設計が有効です。

● 深夜またぎの扱い

勤怠システム上は、深夜またぎ勤務をどのように日付区切りするかが重要になります。

  • 休日をまたぐ深夜勤務の自動判定
  • 深夜明けの翌日の扱い(休日とするのか勤務日とするのか)
  • 法定休日労働の割増計算(35%)の自動処理

シフト表と勤怠システムの「日付の考え方」がズレていると、連続勤務のカウントにも影響が出ます。

● 変形労働時間制との組み合わせ

変形労働時間制を採用している場合は、次の点も合わせて確認しておく必要があります。

  • 変形期間ごとの休日配置
  • 法定休日と所定休日の区別
  • 繁忙期の休日をどこまで前後させるか
  • 非勤務日と休日の判定ルール

シフト × 勤怠 × 変形制の三つが同じ前提で動いているかを確認することが、2026年対応の大きなポイントです。


対応できないと何が起こる?


連続勤務や休日運用の見直しが不十分なまま2026年を迎えると、次のようなリスクが高まります。

  • 是正指導・行政からの確認対応
    連続勤務の状況や休日の特定状況について、詳しい説明や見直しを求められる可能性があります。
  • 割増賃金の遡及精算
    法定休日労働・深夜労働・時間外労働などの割増計算を、過去分も含めて見直す必要が生じる場合があります。
  • 社内外での信頼低下
    「長時間連続勤務が常態化している」と認識されると、SNSや口コミなどでマイナス評価となるリスクもあります。
  • 採用・定着への影響
    若手ほど労働時間や休息に敏感であり、シフトが「休みにくい」「連勤が多い」と感じられると、採用・定着の面でも不利になります。
  • 健康リスク・離職リスク
    休日が十分に機能していない状態は、体調不良や離職につながりやすくなります。

2026年の連続勤務ルールは、「連勤してはいけない」という罰則的な意味合いだけでなく、「どうやって安全な働き方を設計するか」という視点で向き合うことが重要です。


まとめ


「14連勤禁止」をはじめとした連続勤務の上限制限は、シフト制企業にとって大きなテーマですが、視点を変えればシフト運用を整える良い機会でもあります。

  • シフト制は、深夜またぎ・休日位置ズレ・仮シフトなどによって「気づかない連勤」が起こりやすい
  • 連勤を防ぐには、休日の基準づくりと2週間単位でのチェックが有効
  • 勤怠システムのアラート設定により、現場の見落としを防ぐことができる
  • 変形労働時間制と組み合わさる場合は、シフト・勤怠・就業規則の整合性が不可欠
  • 2026年までの準備は、「就業規則の整理」「シフトルールの明文化」「勤怠設定の見直し」の三つを軸に進めることが有効

👉 人事部門導入のご相談は:トナリの人事課長®公式ページ

「トナリの人事課長®」は、中小企業の“人事部門まるごと導入ではなく、実務伴走で仕組みを整えるHR支援サービス”です。


※本記事は公開時点の情報にもとづいて作成しています。今後の制度変更や運用の見直しにより、内容が変わる可能性があります。

ブログ一覧に戻る

人事ニュースを受け取る

※登録はいつでも解除できます