2026年改正を見据えた就業規則モデル条文集|勤務間インターバル・連続勤務・副業通算を実務整理

〜改正の流れを踏まえ、「どこをどう書き換えると運用が安定するか」を整理した企業向けモデル文例集〜


2026年に向けて労働基準関係法制の見直しが進められる中、企業実務で最も影響を受けやすいのが就業規則です。勤怠管理、シフト設計、休日運用、副業対応、残業ラインなど、日々の運用判断はすべて就業規則の記載内容を前提に行われます。

特に飲食・小売・宿泊業のようなシフト制現場や、多拠点展開を行う企業では、本部と現場の認識がズレやすく、規則の書き方次第でリスクの大きさが変わります。現場任せの運用ではなく、本部側で判断基準が読み取れる条文を整えておくことが重要です。

2026年に向けて整理が求められている主なテーマとして、勤務間インターバル制度の考え方、連続勤務日数の整理、副業を含めた労働時間通算、週44時間特例の整理などが挙げられます。これらは個別に対応するのではなく、就業規則の中で一貫した形で整理しておくことが、実務上の安定につながります。

本記事では、人事×社労士の視点から、改正動向を踏まえて就業規則に落とし込みやすいモデル条文を紹介します。法律的な表現を保ちつつ、現場での運用判断や労基署への説明にも使いやすい形で整理しています。


勤務間インターバル制度を想定したモデル条文


● 休息時間の確保

(勤務間インターバル)
第◯条 会社は、従業員の終業時刻から次の始業時刻までの間に、一定の休息時間を確保するよう配慮するものとする。
2 休息時間の確保が難しい場合には、管理者はその理由を記録し、会社が定める方法により報告を行う。

勤務終了と次の勤務開始の間隔を意識させることで、長時間労働や疲労の蓄積を抑える狙いがあります。遅番と早番が連続しやすい飲食・小売現場では、判断基準を条文に落としておくことが有効です。

● 短縮が想定される場合の整理

(休息時間の例外的な取扱い)
第◯条 災害対応その他やむを得ない事情がある場合には、前条の休息時間について、会社が認めた範囲で調整を行うことがある。
2 当該対応を行った場合には、その内容を記録し、恒常的な運用とならないよう留意する。

例外規定を設ける場合でも、緊急性や記録対応をセットで記載しておくことで、通常運用との線引きがしやすくなります。


連続勤務日数を整理するためのモデル条文


● 休日の特定

(法定休日の特定)
第◯条 会社は、週ごとの法定休日をあらかじめ特定し、シフト表等により従業員に周知するものとする。
2 法定休日を別日に調整する場合には、勤務計画の段階で行うものとする。

休日を後から動かす運用ではなく、シフト作成時点で整理しておくことを前提とした書き方です。

● 連続勤務日数の考え方

(連続勤務の整理)
第◯条 従業員の勤務については、連続した勤務日数が長期化しないよう配慮する。
2 副業その他の就労がある場合には、その状況も踏まえて勤務計画を調整する。

連続勤務の判断を社内勤務だけに限定せず、副業を含めて整理しておく点が実務上のポイントです。


副業を含めた労働時間通算のモデル条文


● 副業の届出

(副業の届出)
第◯条 従業員が副業その他の就労を行う場合には、事前に会社へ届出を行うものとする。
2 届出には、勤務日、勤務時間、業務内容等、会社が定める事項を記載する。

● 通算を前提とした整理

(労働時間の通算)
第◯条 会社は、従業員の副業先での労働時間を踏まえ、過度な負担とならないよう勤務時間の調整を行う。
2 必要に応じて、勤務時間の変更や休息の確保について検討を行う。

副業を一律に制限するのではなく、通算管理を前提とした整理を行うことで、現実的な運用につながります。


週44時間特例の整理を踏まえた条文例


● 所定労働時間の明記

(所定労働時間)
第◯条 会社の所定労働時間は、1日8時間、1週40時間を基本とする。
2 変形労働時間制等を採用する場合には、法令に基づく手続きを行う。

● 時間外労働の考え方

(時間外労働)
第◯条 所定労働時間を超えて労働させた場合には、時間外労働として整理する。
2 その取扱いについては、別途定める協定及び社内ルールに基づき対応する。


まとめ


2026年に向けた改正動向を踏まえると、就業規則では勤務間インターバル制度の考え方、連続勤務の整理、副業を含めた労働時間管理、所定労働時間の位置づけなどを横断的に整えておくことが重要になります。

  • 休息時間や連続勤務の判断基準を条文で共有する
  • 副業を含めた勤務状況を前提に整理する
  • シフト制現場でも読み替えやすい表現を用いる

就業規則は作成して終わりではなく、実務で使われて初めて意味を持ちます。改正の流れを見据えながら条文を整理しておくことで、現場判断のブレを抑え、労務リスクの低減につなげることができます。

【参考情報】
・厚生労働省 公表資料(2025年時点)
・労働基準関係法制研究会 資料(2025年時点)
・労働局 各種通達・解説資料


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