連続勤務の“例外規定”とは?2026年改正後の正しい運用方法
〜「例外だから大丈夫」は通用しない。現場が誤解しやすい“特例の本質”を専門家が整理〜
2026年の労基法改正を見据えた労務管理の中で、現場・管理職が特に混乱しやすい論点が、「連続勤務に例外はあるのか」という点です。
実務の現場では、
「災害対応なら連勤しても問題ないのでは」
「緊急トラブル時は例外扱いになるのでは」
といった声が多く聞かれます。
結論から整理すると、連続勤務の例外は存在しますが、その範囲は極めて限定的です。 しかも、例外対応が常態化した時点で、例外とは認められなくなる点が最大の注意ポイントです。
2026年改正では、次のような要素が同時に重なります。
- 勤務間インターバル(11時間)の確保
- 休日の事前特定
- 連続勤務日数の上限管理
- 深夜勤務から早番への切り替え回避
そのため「例外だからOK」という感覚的な運用は、実務上ほぼ通用しなくなります。
この記事では、連続勤務における例外が認められるケースと、認められないケースを整理したうえで、 例外対応を行う際に企業が必ず押さえておくべき実務ポイント、 さらに就業規則にどう書くべきかまでを、現場目線で解説します。
連続勤務の例外が認められるケース
● 災害・事故対応
連続勤務の例外として代表的なのが、災害・事故など予測不能かつ緊急性の高い事態への対応です。
具体例としては、次のようなケースが挙げられます。
- 自然災害による店舗・施設の緊急対応
- 水漏れ・停電・火災などの事故対応
- 交通障害により代替人員が確保できない状況
- 安全確保のため即時対応が必要なトラブル
共通するポイントは、突発性・不可抗力・緊急性が明確であり、 かつ代替人員を即時確保できない状況であることです。
ただし、重要なのは、緊急事態が解消した後の対応です。 事態収束後に十分な休息を与えなければ、例外としては認められません。
● 緊急メンテナンス
設備やシステムの突発的なトラブルへの対応も、限定的に例外と扱われることがあります。
- 冷蔵・冷凍設備の突発故障
- POS・基幹システムの障害
- 衛生・安全に直結する緊急修繕
ここでもポイントは、予見できなかったかどうかです。 定期的に発生しているトラブルや、事前に想定できる作業は例外にはなりません。
● 例外が認められない領域
一方で、次のような理由は例外としては認められません。
- 人手不足
- 繁忙期だから
- シフトが組みにくい
- アルバイトの欠勤
- 店長判断による休日調整
- 本人が希望した場合
2026年改正後は、「本人が希望したから大丈夫」という考え方は通用しなくなります。
例外運用の注意点
● 常態化すると違法
例外対応で最も注意すべきなのが、常態化です。
たとえば、
同じ社員が繰り返し深夜対応に呼ばれる
特定の管理職だけが連勤を続けている
といった状況は、もはや例外ではなく体制不備と判断されます。
● 代替休息の付与
例外対応を行った場合でも、代替休息の付与は必須です。
- 連勤が続いた場合は後日まとめて休日を付与
- インターバル未達時は始業時間を後ろ倒し
- 深夜対応後は当日の勤務短縮
代替休息を与えなければ、例外扱いは成立しません。
● 記録義務
例外運用で最も重要なのが記録です。
- 発生日時と原因
- 緊急性・不可抗力の内容
- 対応した従業員
- 勤務時間・インターバル状況
- 代替休息の実施内容
- 管理職の承認
記録がなければ、後から例外として主張することはできません。
例外対応を就業規則に書く場合の注意点
就業規則に例外規定を設ける場合は、次の点に注意が必要です。
- 例外を広く書きすぎない
- 災害・事故などに限定する
- 代替休息の付与を明記する
- 店長裁量で乱用できない設計にする
- 記録保存を義務づける
曖昧な表現は、かえって企業リスクを高めます。
まとめ
連続勤務には例外規定が存在しますが、2026年改正後は、その適用範囲が極めて限定的になります。
災害・事故などの突発的な緊急事態以外は、原則として例外とは認められません。
例外対応を行う場合でも、代替休息の付与と記録の保存が不可欠です。
「例外だから大丈夫」という感覚的な運用をやめ、
仕組みと記録で説明できる体制を整えることが、2026年以降の実務対応のカギとなります。
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