2026年の労基法大改正で“会社に起きること全部”|中小企業向け経営インパクト完全ロードマップ

〜飲食・小売・サービス業を直撃する改正を、経営判断と実務対応の両面から整理〜


2026年に予定されている労働基準法をめぐる一連の見直しは、単なる制度改正ではなく、中小企業の働き方や店舗運営の前提そのものを見直す転換点になると見られています。
特に飲食・小売・宿泊・サービス業のように、シフト制・長時間労働・人手不足が重なりやすい業界では、現場運用と経営判断の両方に影響が及ぶ可能性があります。

厚生労働省が公表している資料や検討会の方向性を見ると、2026年を目途に、
・勤務と勤務の間の休息時間の考え方
・長期間の連続勤務を避ける整理
・週の労働時間管理の基準統一
・休日の位置づけと事前整理
といった複数のテーマが、同時に現場へ影響する構造が浮かび上がります。

重要なのは、これらが単発の対応では済まないという点です。
シフト、契約、人件費、営業時間、管理職の働き方が相互に影響し合うため、部分対応ではかえって混乱を招くおそれがあります。

この記事では、2026年の労基法をめぐる動きを前提に、
「会社にどんな影響が出やすいのか」「経営として何を判断する場面が増えるのか」をロードマップ形式で整理します。
制度の断定ではなく、現時点で見えている方向性をもとに、備えとして何を考えておくべきかをまとめた内容です。


2026年改正で起きると考えられる4つの大きな変化


2026年に向けて整理されている労務管理の論点は多岐にわたりますが、
中小企業・店舗運営において特に影響が大きいと考えられるのは、次の4点です。

● 勤務間インターバルの考え方の明確化

終業から次の始業までに一定の休息時間を確保する考え方は、すでにガイドラインとして示されています。
今後は、シフト設計や管理職判断の中で、「どこまで配慮しているか」がより問われやすくなる可能性があります。

● 長期間の連続勤務を避ける整理

管理職や店長に集中しがちな連続勤務について、
形式上の休日だけでなく、実質的な休息が確保されているかが重要になります。
副業者の場合、他社勤務と重なることで「見えない連続勤務」が生じやすい点も注意が必要です。

● 週の労働時間管理の基準統一

これまで一部業種で認められていた週44時間を前提とした運用は、
将来的に見直しが進む方向性が示されています。
週40時間を基準としたシフト・契約への移行は、人件費や人員配置に直結します。

● 法定休日の位置づけと事前整理

法定休日について、「結果的に休んでいる」ではなく、
どの日を休日として扱うかを事前に整理しているかが、実務上の焦点になりつつあります。
月末またぎやシフト確定時期の遅れが、トラブルにつながりやすいポイントです。


影響を受けやすい業界の傾向


これらの変化はすべての業界に関係しますが、影響の出方には業界ごとの特徴があります。

● 飲食業

遅番・深夜作業・早朝準備が重なりやすく、
インターバルや連続勤務の問題が表面化しやすい業界です。
店長の働き方がそのままリスクになるケースも少なくありません。

● 小売業

棚卸しや開店準備、月末月初の繁忙が重なり、
週の労働時間管理と休日配置が複雑になりがちです。

● 宿泊・サービス業

夜勤・早番の組み合わせが多く、
休息時間の確保と人員配置の再設計が課題になりやすい傾向があります。


2026年までに考えておきたい対応ロードマップ


改正への備えは、「直前に一気に対応」よりも、
時間軸で段階的に整理するほうが現実的です。

● 半年前までに整理しておきたいこと

  • 就業規則・社内ルールの現状確認
  • 休日・勤務時間の定義の整理
  • 管理職・店長の働き方の棚卸し
  • 勤怠システムの対応可否確認

● 3か月前までに進めたいこと

  • シフトパターンの再設計
  • 週40時間を基準にした配置検討
  • 副業者・兼業者の管理方法整理
  • 人件費への影響試算

● 直前期に確認したいこと

  • 深夜と早番の組み合わせチェック
  • 月末またぎの休日配置確認
  • 連続勤務が生じていないかの点検

経営判断が求められやすい領域


制度対応だけでは解決できず、
経営としての判断が必要になる場面も増えていきます。

● 営業時間と人員配置

営業時間を維持するか、人員を増やすか、
あるいはピーク時間帯に集中させるか。
どの選択をするかで、収益構造が変わります。

● 管理職・店長の役割再設計

管理職に業務が集中している場合、
その働き方自体を見直さないと制度対応が難しくなる可能性があります。

● 契約・固定残業の整理

労働時間の前提が変わることで、
契約内容や固定残業の考え方が実態と合わなくなるケースも想定されます。


改正後に想定されやすい指導ポイント


今後の指導では、次のような点が確認されやすくなると考えられます。

  • 休息時間が極端に短いシフトが続いていないか
  • 連続勤務が常態化していないか
  • 休日が事前に整理されているか
  • 実態と就業規則が一致しているか

まとめ


2026年の労基法をめぐる動きは、単なる法改正対応ではなく、中小企業にとって働き方全体を見直す機会とも言えます。

勤務間インターバル、連続勤務、週の労働時間、休日の整理は、それぞれが単独で完結するテーマではありません。
シフト設計・人員配置・管理職の役割を含めて考えることで、結果として労務トラブルや人件費リスクを抑えやすくなります。

2026年を「負担が増える年」と捉えるか、「無理のある運用を整理する年」と捉えるかで、その後の経営の安定度は大きく変わってきます。


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※本記事は公開時点の情報にもとづいて作成しています。今後の制度変更や運用の見直しにより、内容が変わる可能性があります。

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