勤務間インターバル11時間と勤怠システム|アラート設計で差がつく実務対応ポイント

〜2026年労基法改正を見据えた、勤務間インターバル管理と“事故を防ぐ勤怠設定”の考え方〜


勤務間インターバル(いわゆる「11時間ルール」)は、2026年に向けた労働時間制度見直しの中でも、シフト制企業への影響が特に大きい論点の一つです。
現場ではこれまで、閉店作業の延長や突発対応、夜勤明けの応援などを、店長や管理者の判断で調整してきたケースも少なくありません。

ただ、勤務間インターバルは「気をつけていれば何とかなる」類のルールではなく、
前回の退勤時刻と次の出勤時刻の差分という、非常に機械的な計算で判定される点が特徴です。

シフト表では問題がないように見えても、
実際の退勤が延びたり、翌日の出勤が前倒しになったりすることで、勤務間インターバルが不足してしまうケースは、現場では珍しくありません。

こうしたズレを人の記憶や注意だけで管理するのは、現実的とは言えません。
そこで重要になるのが、勤怠システム側で勤務間インターバルを判定し、事前に知らせるアラート設計です。

本記事では、一般論として次の点を整理します。

  • 勤務間インターバルを前提とした勤怠設定の考え方
  • アラートを有効に機能させるための設計ポイント
  • 勤務間インターバル不足が起こりやすい業務パターン
  • 設定ミスによって形骸化しやすいNG例
  • 残業・深夜勤務とあわせた複合管理の視点

勤務間インターバルを前提にした勤怠設定の考え方


① 勤務間インターバル時間を基準値として設定する

勤怠システムでは、勤務間インターバルを「目安」ではなく、判定基準となる時間として設定しておく必要があります。
多くの企業では、基準値として11時間を設定し、それを下回る勤務登録が行われた場合にアラートが出る仕組みを採用しています。

② 深夜またぎ勤務の判定ロジックを整理する

21時〜翌6時のように日付をまたぐ勤務では、
「いつを勤務終了時刻とみなすか」によって、勤務間インターバルの計算結果が大きく変わります。

深夜またぎ勤務を翌日扱いにするのか、1勤務として扱うのか。
このルールを曖昧にしたままでは、インターバル不足を正しく検知できません。

③ 夜勤明け後の勤務ルールを明確にする

夜勤を含む業態では、夜勤明けの翌日の勤務が、勤務間インターバル管理の最大の注意点になります。
夜勤終了から次の勤務開始までの間隔が短い場合、本人の体調や安全配慮の観点からも問題になりやすいため、
夜勤明け翌日の勤務可否や開始時刻を、あらかじめルール化しておくことが重要です。


アラートを機能させるための設計ポイント


① 不足時間を早めに察知できる閾値設定

アラートは「11時間を下回った瞬間」に出すだけでなく、
実務上は、少し余裕を持たせた時間を注意ラインとして設定するケースも見られます。

退勤時刻が予定より延びることは珍しくないため、
ギリギリのシフトを組まないための“予防的な通知”が有効になります。

② 管理者への自動通知

勤務間インターバルに関するアラートは、シフト作成者や管理者にも共有される設計が望まれます。
現場判断だけに委ねると、忙しさの中で見落とされるリスクが高まります。

③ 本人への通知

本人に対しても、勤務間インターバルが不足している旨が分かる通知を出すことで、
無理な勤務を避ける意識づけにつながります。

④ 例外対応を記録として残す

やむを得ず勤務調整を行った場合には、その理由や承認経路をログとして残せる仕組みが重要です。
後から状況を振り返る際や、説明が必要になった場合にも役立ちます。


勤務間インターバル不足が起こりやすい業務パターン


① 閉店作業から翌日の早番

閉店対応で退勤が遅れ、そのまま翌日の開店準備に入るケースは、勤務間インターバル不足が起こりやすい代表例です。

② 物流業務の長距離便

配送の遅延や荷待ち時間の増加により、想定より退勤が後ろ倒しになることで、翌勤務との間隔が短くなりがちです。

③ 宿泊業の夜勤明け対応

夜勤明けに午前帯の業務を補助する運用は、勤務間インターバル管理の観点から注意が必要になります。


アラート設定で見落としやすいポイント


① 基準が固定されていない

日によって判断が変わる運用では、システムによる自動判定が機能しません。
基準時間は一貫したルールとして設定しておく必要があります。

② シフトと勤怠が分断されている

シフトと勤怠が別管理の場合、実績のズレがインターバル判定に反映されないことがあります。
両者を連動させる設計が重要です。

③ アラート後の対応フローが決まっていない

通知が出ても、誰がどう対応するのか決まっていなければ、形だけの仕組みになってしまいます。


勤務間インターバルと残業・深夜勤務の複合管理


勤務間インターバルは、単独で見るのではなく、残業時間や深夜勤務、休日労働とあわせて管理する必要があります。
特に、深夜勤務を含む場合は、翌日の勤務開始時刻や連続勤務日数との関係も含めて確認する視点が欠かせません。


まとめ


勤務間インターバルは、現場感覚だけで管理するのが難しいルールです。
シフトと実績のズレ、深夜またぎ、突発対応といった要素が重なるほど、人の目によるチェックには限界が出てきます。

そのため、勤怠システム上での基準設定、アラート通知、ログ管理を通じて、
「気づいて直す」ではなく「事前に防ぐ」仕組みを整えることが、実務上の大きなポイントになります。


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※本記事は公開時点の情報にもとづいて作成しています。今後の制度整理や運用方針の見直しにより、内容が変わる可能性があります。

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