勤怠システムでインターバル管理は可能?2026年までに必要な設定を専門家が解説
〜“11時間ルール”を守れるかは、システム設定の精度で決まる〜
2026年に向けて、勤務間インターバル(終業から次の始業まで一定の休息を確保するルール)が、これまでの“努力義務”から、実質的な“守る前提の制度”へと位置付けが変わりつつあります。
これにより、企業は「勤怠システムでインターバルを自動的に管理できるかどうか」を早急に確認する必要が出てきました。
特に、次のような環境ではインターバル違反のリスクが高まります。
- 深夜またぎの勤務が多い
- 閉店作業や仕込みで退勤が遅くなる
- 副業・兼業者を抱えている
- シフト管理が属人化している
- 24時間営業または長時間営業の現場がある
この記事では、企業が2026年までに確認すべき「勤怠システムのインターバル管理設定」について、 制度・運用・設定漏れという3つの観点からわかりやすく整理します。
勤怠システムに備わりつつある“インターバル管理”機能
近年、多くの勤怠システムには「勤務間インターバルを自動判定するための機能」が徐々に整備され始めています。名称や仕様はシステムごとに異なりますが、次のような内容が一般的です。
● 終業〜始業間の休息時間の自動計算
前日の退勤時刻と、翌日の始業時刻を自動で比較し、休息時間を算出する機能です。
11時間未満のケースを見逃さないための基盤になります。
● インターバル不足時の警告表示
休息時間が規程値(例:11時間)を下回る場合に、システム上でアラートを表示する仕組みです。
店長・管理職・人事部門それぞれに通知を飛ばせる設定があるシステムも増えています。
● 深夜またぎ勤務への自動対応
22:00〜翌5:00を含むシフトは、退勤日と労働時間のカウントが複雑になります。
一定の基準で日付を判定し、正しいインターバル計算を行うシステムが増えています。
● シフト作成画面での“危険シフト”検知
シフト作成段階で、翌日の始業との間隔が不足しそうな日を自動的に警告する機能です。
「そもそも違反するシフトが作れない」状態が理想形です。
設定漏れが起きやすいポイント
インターバル違反の多くは“機能がない”というよりも、“設定していなかった”“設定が正しく反映されていなかった”ことが原因です。
● 休憩とインターバルの混同
休憩は勤務中の休み時間であり、インターバル(終業〜次の始業の休息)とは異なります。
「休憩を入れているから大丈夫」は誤解で、両者は完全に別管理です。
● 0時またぎ勤務の判定ミス
21:00〜翌6:00、22:00〜翌5:00といった勤務は、日付の扱いがシステムによって異なります。
設定が誤っていると、見かけ上のインターバルが正しく算出されなくなるため注意が必要です。
● 副業・兼業者の勤務時間を考慮していない
本業側ではインターバルが守られていても、副業の勤務を含めると休息が不足しているケースは非常に多くあります。
外部勤務情報の取り込みや申告フローが設計されていないと、実態とかけ離れた管理になります。
自動アラートを活用した“守れる仕組み”づくり
● 11時間未満アラート
最低限設定すべき仕組みです。多くのシステムで「休息時間◯時間未満」を基準にアラート発報が可能になっています。
● 連勤アラートとの併用
インターバルと連勤はセットで判断すべき項目です。
- インターバル不足が連勤中に連続している
- 深夜→早番の連続
これらは過重労働の強いシグナルとなるため、両方のアラートを連動させることが重要です。
● 深夜勤務明けのチェック
深夜帯(22:00〜5:00)を含む勤務は、翌日のシフトが“危険ゾーン”になりやすい代表例です。
翌日は「遅番または休み」を原則とし、システム側でも制限できる状態が理想です。
勤怠設定 × 就業規則の整合性を取る方法
● 休息時間の定義を明確にする
就業規則に「終業〜始業の最低休息時間」を必ず明記し、それを勤怠システムの設定値と一致させます。
● 例外ルールを限定列挙で記載する
曖昧な例外規程は危険です。
災害・緊急対応など、本当にやむを得ないケースだけを明確に定めます。
● 実務と設定のギャップをなくす
シフト表・打刻実績・勤怠システムのロジックにズレがあると、インターバルが正確に管理できません。
月次での“ギャップ点検”が必須です。
勤怠システムを見直すべきケース
次のような状態がある場合は、2026年を待たずにシステム変更を検討する必要があります。
- インターバル判定機能がそもそも存在しない
- 深夜またぎの判定が手作業で補正されている
- シフト作成と勤怠が連動していない
- アラートが通知されず、現場が見落としがち
- 副業管理に全く対応していない
まとめ
勤務間インターバルは、2026年以降「勤怠システムで守る時代」に入ります。
この記事で押さえておきたいポイントは次の通りです。
- インターバル管理は、勤怠システムの設定精度に大きく左右される
- 11時間未満、深夜明け、連勤などは“セットで”管理する必要がある
- 休憩・0時またぎ・副業の扱いは設定漏れが起きやすい
- 就業規則と勤怠設定の不一致はもっとも危険
- 必要であれば、システムの見直しも選択肢に入れるべき
2026年対応は、「設定して終わり」ではなく、“守れる運用に落とし込めているか”が問われます。
自社の勤怠システムが、休息・連勤・深夜帯の働き方まで正しく管理できているか。
早めに棚卸しを行い、設定と運用を整えていくことが何より重要です。
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